クリスタル産業株式会社
日常に寄り添い、共に歩む
信頼の福祉用具を製造するメーカー
クリスタル産業株式会社は、杖や歩行器、手すりなどを企画・製造する福祉用具専門メーカーです。
当社の製品は、介護保険適用商品から一般用商品まで、個々のユーザーの身体状況に応じた選択が求められます。そのため、当社はセミ・オーダーメイドのサービスを提供し、ユーザーのニーズに応じた製品をお届けしています。
また、近年では杖のグリップの部分の開発に力を入れています。特にデザイナーと連携して製作したステッキ「Elepaio(エレパイオ)」は、2012年にグッドデザイン賞を受賞いたしました。さらに、障害者スポーツ用の専門的な道具の開発にも注力しており、経験を活かして新たな製品の開発と品質向上に努めています。
歴史が紡ぐ、福祉用具トップクラスシェア
クリスタル産業は、1965年の創業以来、福祉用具の専門メーカーとして、ケイン(ステッキ)やクラッチ(松葉杖)、歩行器、シャワーベンチなどを企画・製造してきました。また、自操式および介助用の車いすや、健康機器の輸出入販売も行っております。
長年にわたり、多数のお客様のご愛顧を賜り、当社は福祉用具業界でトップクラスのシェアを誇るまでに成長いたしました。これからもお客様のニーズに応え、より一層のサービス向上と製品ラインナップの充実に努めてまいります。
笑顔で快適な生活が送れるように
介護する側、される側にほほえみがあふれ、毎日の生活を快適に送るお手伝いがしたい。クリスタル産業の製品には、そのような願いが込められています。
ユーザーが少しでも自分で動ける生活を目指し、リハビリに着目して支援する製品開発に取り組んできました。
当社のフィットする杖「Elepaio(エレパイオ)」もそんな中から生まれた商品です。高齢者や障害者の日常生活動作を考慮し、『支えるカタチ』を追及したデザインで、使用時・非使用時問わずあらゆる生活シーンでユーザーを支える補助具となるよう設計いたしました。
他社との連携でユーザー目線の商品開発を実現
クリスタル産業では現在、アンプティサッカーなどの障害者スポーツで使用する競技用クラッチの開発を行っています。
このクラッチは激しい動きの中で使用されることが多く、軽くて耐久性が高く、選手の身体にジャストフィットすることが求められます。そのため当社では、デザイナーと共に競技場を訪れ、選手からの意見を取り入れるとともに、素材メーカーや部品メーカーと連携しながら技術的な課題に取り組みつつ、PDCAを繰り返して試作開発を行っています。
また、スポーツの分野に限らず、様々な企業や大学などとの連携を深め、ユーザーに寄り添った製品開発を推進していきたいと考えています。
一人ひとりの身体に合わせたセミ・オーダーメイド製品
福祉用具は、介護保険適用商品はもちろんのこと、一般用商品でも個々のユーザーの身体の状況に応じた製品を選ばないと、思わぬ事故につながってしまう可能性があります。
そのため、当社では個人の身体に合わせたセミ・オーダーメイドを取り扱うとともに、製品開発において常にユーザーの意見を反映できるよう、展示会などへ積極的に出展し、ユーザーの生の声をできるだけ聞けるよう努めています。
製作事例

ステッキ「Elepaio(エレパイオ)」
体重をかけて身体を預けられる、歩きやすい杖です。
手にしっくりなじむエラストマゴム表皮と、体圧を効果的に分散する形状の採用により、握りやすく手のひらを包み込むようなグリップを実現しました。歩行時に体重をグリップにかけることで、手のひらや手首、肘などへの負担を軽減します。
さらに、グリップ表皮の素材や指の滑り止め凹凸、先端の凸形状により、テーブルや壁に立てかけたり引っ掛けたりする際の滑りにくさと倒れにくさを実現しました。手に自然に馴染むため、ほとんど握力を使わずに杖を持ち上げ、前に突くことができます。(2012年度グッドデザイン賞受賞。)

交互歩行器(ウォーカー折り畳み型)
ウォーカー折り畳み型は、狭い屋内だけでなく屋外でも使用できます。
身体をフレーム内に入れて使用し、後脚には体重をかけるとロックがかかるダブルキャスタースライドブレーキを装備しています。これにより、バランスに不安のある方でも、一歩ずつ確認しながらゆっくり歩行できるため安心です。
また、ワンタッチで簡単に折り畳め、場所を取りません。

セブンスエルボークラッチのアンプティサッカー用クラッチへの応用
このクラッチは、支柱の曲がりによってグリップの左右への回転を軽減します。
障害者自立支援機器として、『シーズ・ニーズマッチング交流会2015 ~作る人と使う人の交流会~』に出品しました。

簡易据え置き型手すり「KOKUA(コクア)」
「KOKUA(コクア)」は玄関の上がり框(かまち)、ベッド、浴室(脱衣場)、トイレ付近などに気軽に設置し、立ち座りをサポートする簡易据え置き型手すりです。
軽量で、簡単に移動させることができます。
会社概要
会社名 | クリスタル産業株式会社 |
創業 | 1961年 |
資本金 | 1000万円 |
本社所在地 | 愛知県名古屋市瑞穂区内浜町22番8号 |
代表者 | 代表取締役社長 上村 秀信 |
従業員数 | 5人 |
企業 URL | - |
事業内容 | ・医療用具、医療用器具の製造販売及び輸出入 ・健康機器の輸出入及び販売 ・ステンレス加工並びにステンレス加工品の販売 ・ステンレス製・ゴム製 ビョラ(ネジ)の販売 ・ステンレス鋼帯・鋼材の販売 |
サステナブル、SDGsに向けた新商品・新サービス
快適な生活を支えるデザイン 誰の手にも寄り添うステッキグリップ
女性向けエレパイオグリップの開発
開発商品・サービスの特徴
先行モデル「エレパイオ」の特性を踏襲しつつ、女性や子どもなど手が小さめな使用者に向けて開発したステッキ用グリップです。
従来の強みであるフィット感と「支えるカタチ」の機能を活かしつつ、顧客の声をもとに形状をアップデートし、より握りやすく快適な設計を実現しました。
広報戦略としてプレスリリースの活用や顕彰制度への応募を進めることで、ショップでの販売拡大を図ります。そして、公共施設での貸出しなど、より多くの人々に商品の魅力を伝える取り組みを展開していきます。

持続可能となるポイント
本商品は、日常的にステッキを使用する手の小さなユーザーに配慮し、マーケットインの視点から開発しました。
握力の弱い方でも長時間の使用に耐えられるよう、1mm単位でディティールを調整・評価しながらデザインを決定。誰もが安心して利用できる製品となっています。
これにより、より多くの人々が快適に移動できる環境を整え、社会的なアクセシビリティの向上やSDGs目標11「住み続けられるまちづくりを」にも貢献することができます。


インタビュー
本事業への参加に至る背景
当社はこれまで、バリアフリーをテーマに商品開発を進めてきました。その一環として、ユニバーサルデザインを取り入れたステッキを開発・販売していますが、特に女性ユーザーからは小ぶりな商品の要望が多く寄せられていました。
そこで、SDGsの視点を新たに取り入れ、女性や子ども向けのステッキを開発し、新規ユーザーの開拓を目指しました。そのため、専門家と協力し、デザインに加えて、人間工学に基づくプロトタイピングを取り入れながら開発を進めるべく、本事業に参加しました。
参加しての所見や感想
「売れる商品」ではなく、「使ってもらえる商品」を目指して開発を進めてきました。本事業では、デザイナーと共にものづくりを進める中で、多角的な視点や発想の重要性を学びました。
難しさに直面する場面もありましたが、機能だけでなく、デザインがユーザーの使い勝手や愛着に直結することを実感し、とても興味深い体験となりました。今後も学びを深め、より良い商品づくりを続けていきます。
今後のサステナブルに向けた取り組み
「すべての人に届くために」をテーマに、女性や子どもだけでなく、障がいのある方や高齢者などの立場の弱い方々にもこのステッキグリップを届けるべく、普及活動を強化していきます。
具体的には、従来の福祉用具展示会への出展に加え、美術館や博物館での無料貸出を実施し、より多くの方に実際に手に取ってもらう機会を増やします。その上で、ユーザーの声を製品改良に反映し、さらに使いやすいステッキの開発に努めていきます。
また、一人ひとりが社会と関わりながら、その人らしい生活を続けていけるよう、サステナブルな社会づくりに貢献してまいります。

クリスタル産業株式会社
クリスタル産業株式会社は福祉用具専門のメーカーで、ケイン(ステッキ)やクラッチ(松葉杖)と呼ばれる杖や歩行器を企画・製造しています。